札幌から函館へのドライブは、北海道旅行の中でも特に人気のルートです。しかし、実際に計画を立ててみると「距離が長くて運転がきついのではないか」と不安を感じる方も多いでしょう。北海道の広大さを象徴するこの区間は、単なる移動以上の体力と集中力を必要とします。
この記事では、札幌から函館まで車で移動する際の実情を詳しく掘り下げます。所要時間や距離の目安はもちろん、運転の疲れを軽減するためのポイントや、立ち寄るべき休憩スポットについても具体的に紹介します。
事前の準備やルート選びを工夫することで、長距離移動の「きつさ」は楽しい思い出へと変わります。初めての北海道ドライブでも安心して楽しめるよう、地元視点のアドバイスを交えてお伝えしますので、ぜひ最後までチェックしてください。
札幌から函館まで車で行くのが「きつい」と言われる3つの理由

札幌から函館へのドライブが、なぜ多くのドライバーから「きつい」と評価されるのか。その背景には、北海道特有の地理的条件と道路環境が大きく関係しています。まずは、この区間の運転をハードに感じさせる要因を整理してみましょう。
総距離約250kmから300kmを超える長距離移動
札幌から函館までの距離は、ルートにもよりますが高速道路を利用して約250km、一般道を経由すると300km近くに及びます。これは東京から名古屋、あるいは大阪から広島へ移動する距離に匹敵する、非常に長い道のりです。
北海道の道は信号が少なく走りやすいと言われますが、4時間から6時間近くハンドルを握り続けることは想像以上に体力を消耗します。特に普段から長距離運転に慣れていない方にとって、この距離感は大きな心理的・肉体的負担となります。
また、直線道路が多いことも、逆に集中力を途切れさせる要因となります。単調な景色が続くと眠気を誘いやすく、目的地に到着する頃にはひどい疲労感に襲われることが珍しくありません。この「距離の長さ」こそが、きついと感じる最大の理由です。
単調な景色と対面通行による精神的な疲労
道央自動車道(高速道路)の札幌から函館区間の多くは、片側一車線の対面通行区間が含まれています。前を走る車を追い越すポイントが限られているため、遅い車が前にいると自分のペースで走れず、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されます。
さらに、トンネルが連続する区間や、周囲に景色がない山の中を走る場面も多いため、視覚的な変化に乏しいのが特徴です。変化のない状況で前方の車との車間距離を一定に保ち続ける作業は、脳を著しく疲弊させます。
特に夜間や悪天候時は、街灯が少ない区間も多いため、さらに緊張感が増します。このように、運転そのものの難易度よりも「気を使い続ける時間の長さ」が、精神的なきつさに直結しているのです。
天候の変化が激しく冬道は難易度が急上昇
北海道の天気は非常に変わりやすく、札幌を出発した時は晴れていても、途中の山越え区間や噴火湾沿いで猛吹雪や濃霧に遭遇することがあります。特に冬期間の札幌〜函館間は、初心者にはおすすめできないほど過酷な環境になることがあります。
冬の国道5号線(一般道)や高速道路は、ブラックアイスバーンや地吹雪による視界不良が発生しやすく、一瞬の油断も許されません。雪道での運転は夏の数倍の神経を使うため、所要時間も大幅に伸び、体力的には限界に近くなることもあります。
夏場であっても、海沿いの区間では強い横風に煽られることがあり、常にハンドルをしっかりと保持しなければなりません。こうした自然環境の影響を強く受ける点が、このルートの運転を「きつい」と感じさせる一因です。
高速道路と一般道どちらを選ぶべき?ルート別の特徴と比較

札幌から函館へ向かうには、大きく分けて「高速道路を利用するルート」と「一般道を走るルート」の2種類があります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分の体力や目的に合った方を選ぶことが、きつさを軽減する第一歩です。
最短・最速で移動できる道央自動車道ルート
最も一般的なのが、札幌ICから函館IC(または大沼公園IC)まで高速道路を利用するルートです。このルートの最大のメリットは、何と言っても移動時間を最短に抑えられる点にあります。休憩を含めても4時間から4時間半程度で到着可能です。
道央自動車道は信号がなく、一定の速度で走り続けることができるため、燃費の向上も期待できます。また、サービスエリアやパーキングエリアが整備されているため、決まった間隔で休憩を取りやすいのも安心できるポイントです。
ただし、前述の通り対面通行区間が多く、追い越しのストレスがあることは覚悟しておかなければなりません。また、高速料金もそれなりにかかるため、コストと時間のバランスを考えて選択する必要があります。
【高速道路ルートの主な目安】
距離:約250km
所要時間:約4時間15分
高速料金:約6,000円〜7,000円(普通車・通常料金)
景色とグルメを楽しめる国道5号線ルート
時間にゆとりがある場合は、国道5号線を中心とした一般道ルートがあります。このルートは、小樽を経由し、ニセコや長万部を通って函館へ向かいます。最大の魅力は、北海道らしい雄大な景色や各地のご当地グルメを楽しめる点です。
高速道路に比べて景色に変化があり、道の駅も多く点在しているため、こまめに車を降りてリフレッシュすることができます。運転に飽きにくいため、心理的な「きつさ」は高速道路よりも軽いと感じる人もいます。
しかし、所要時間は6時間以上かかることが多く、信号待ちや市街地の混雑も避けられません。長時間の拘束になるため、結果として体力的には高速道路よりも疲れる可能性があります。寄り道をメインにする場合に適したルートと言えます。
季節や目的に合わせたルートの使い分け
「きつさ」を最小限にするためには、往路と復路でルートを変えたり、当日の天候で判断したりするのが賢明です。例えば、行きは元気があるうちに一般道で観光を楽しみ、帰りは疲労を考慮して高速道路で一気に帰るというプランです。
また、悪天候時は迷わず高速道路を選択することをおすすめします。高速道路は除雪体制が整っており、通行止めにならない限りは安全性が確保されています。一方で、冬の山間部の一般道は非常に危険なため、無理は禁物です。
さらに、ETC割引(休日割引や深夜割引)を利用すればコストを抑えることも可能です。ドライブプラン(高速道路乗り放題パス)などの観光客向けサービスも活用すると、より柔軟にルートを選べるようになります。
運転の疲れを癒やす!絶対に立ち寄りたい休憩スポット

札幌から函館までの長い道のりにおいて、休憩は「きつさ」をリセットするための必須工程です。単にトイレに寄るだけでなく、美味しいものを食べたり絶景を見たりすることで、脳に刺激を与えて眠気や疲労を防ぎましょう。ここでは、特におすすめの休憩場所を紹介します。
有珠山サービスエリア(上り・下り)
札幌を出発して約1時間半から2時間ほど走った場所にある有珠山サービスエリアは、必ず寄るべきスポットの一つです。ここからは噴火湾(内浦湾)や有珠山、昭和新山を一望できる大パノラマが広がっています。
運転で凝り固まった目を遠くの景色を見ることでリラックスさせることができます。また、ここのガソリンスタンドは、函館までの高速道路上で数少ない給油ポイントでもあるため、燃料の確認も忘れずに行いましょう。
売店では北海道産の食材を使った軽食も充実しており、ソフトクリームなどを食べて糖分を補給するのも効果的です。広い駐車場で少し背伸びをして、外の空気を吸うだけでも気分が大きく変わります。
長万部町の「かにめし」休憩
札幌と函館のほぼ中間地点に位置するのが長万部(おしゃまんべ)町です。ここは一般道でも高速道路でも通過するポイントで、多くのドライバーが休憩に利用します。長万部といえば、全国的にも有名な「かにめし」の聖地です。
長万部駅前の有名店で温かい弁当を食べるのも良いですし、ドライブインでゆっくりと食事を摂るのも良いでしょう。しっかりとした食事を摂ることで、後半戦へのエネルギーを蓄えることができます。
また、長万部付近は直線道路が長く続くため、運転の集中力が切れやすいポイントでもあります。ここで一度車を降り、30分程度のまとまった休憩を取ることで、その後の事故リスクを大幅に下げることができます。
道の駅「なないろ・ななえ」と「みそぎの郷 きこない」
函館が近づいてきた最後の一踏ん張りという場所にあるのが、七飯(ななえ)町にある道の駅「なないろ・ななえ」です。非常に新しく綺麗な施設で、地元の野菜や加工品が豊富に揃っています。隣接する「男爵ラウンジ」もおしゃれで、リフレッシュに最適です。
ここでは、リンゴのソフトクリームやコロッケなど、函館到着前の小腹を満たすグルメが楽しめます。ここまで来れば函館市街まではあと30分ほど。最後の休憩でしっかりと気を引き締め直すことができます。
もし少し足を伸ばす余裕があれば、木古内町の道の駅も人気です。ただし、札幌からのルートからは少し外れるため、時間と体力に相談して決めましょう。無理のない範囲での寄り道が、ドライブを楽しくするコツです。
車移動がきついと感じた時の代替案と賢い移動術

「やっぱり片道300kmの運転は無理かもしれない」と感じたなら、無理に車にこだわる必要はありません。北海道には車以外にも快適な移動手段が揃っています。運転のストレスから解放されることで、旅の充実度が上がることもあります。
JR特急「北斗」を利用する快適な鉄道旅
札幌駅と函館駅を約3時間40分で結ぶ特急「北斗」は、最も確実で快適な移動手段です。運転の疲れを一切気にすることなく、車窓に広がる噴火湾の美しい景色を眺めながら移動できます。車内販売はありませんが、事前に駅弁を買って乗り込む楽しみがあります。
鉄道の最大のメリットは、「到着時間が正確であること」と「到着後すぐに観光を始められること」です。運転による足腰の疲れがないため、函館山や五稜郭を歩き回る体力を温存できます。
自由席もありますが、長距離のため指定席を予約しておくのが無難です。また、えきねっと等の早割チケットを利用すれば、車で移動するガソリン代や高速代と比較しても、それほど割高感を感じずに利用できるケースもあります。
都市間高速バス「函館特急ニュースター号」などの活用
コストを抑えつつ、自分で運転する手間を省きたいなら、都市間高速バスが非常に便利です。札幌と函館を結ぶバスは複数の会社が運行しており、3列シートのゆったりとした車両が多く採用されています。
バスの所要時間は5時間から5時間半程度と車と同じくらいかかりますが、「寝ている間に目的地に着く」というのは大きな魅力です。深夜便を利用すれば、早朝に函館に到着し、朝市をフルに楽しむことも可能です。
車内にはフリーWi-Fiや充電用コンセント、トイレが完備されていることが多く、スマートフォンの操作や読書をしていれば、移動時間はあっという間に感じられます。運転の「きつさ」をゼロにできる最も安価な方法です。
丘珠空港から函館空港への空路移動
意外と知られていないのが、札幌市内の丘珠(おかだま)空港から函館空港への国内線です。フライト時間はわずか45分ほど。空港までの移動時間を含めても、札幌中心部から2時間以内に函館に到着できる圧倒的な速さを誇ります。
JAL(北海道エアシステム)が1日に数便運行しており、時間を有効活用したい旅行者にとって「救世主」とも言える存在です。料金は時期によりますが、早めに予約すれば特急列車と変わらない価格帯で利用できることもあります。
特に、運転が不慣れな方や、小さな子供連れ、高齢者との旅行の場合は、体力の消耗を最小限に抑えられる空路が非常におすすめです。空から眺める北海道の雄大な大地も、忘れられない思い出になるはずです。
札幌から函館へのドライブを「楽」にするための準備と心構え

それでも「自分のペースで旅をしたい」「荷物が多いから車がいい」という方は、万全の準備を整えてドライブに挑みましょう。運転のきつさを軽減するための具体的な対策を講じるだけで、長距離運転のハードルはぐっと下がります。
「2時間おきに15分の休憩」を絶対ルールにする
長距離運転で最も怖いのは、疲れに気づかないまま集中力が低下することです。「まだ行ける」という過信が、後に深刻な疲労となって現れます。ドライブを楽にするコツは、疲れを感じる前に休むことです。
基本は2時間走ったら必ず休憩を入れるよう計画しましょう。車を停めて外に出て、深呼吸をし、軽くストレッチをするだけで血流が改善され、脳がリフレッシュされます。これを繰り返すことで、函館に到着した際の疲労度が劇的に変わります。
また、休憩中には冷たい飲み物を飲んだり、ガムを噛んだりするのも効果的です。最近ではサービスエリアのトイレも非常に綺麗で快適なので、目的がなくても立ち寄る習慣をつけるのがおすすめです。
複数人での運転交代と音楽・コンテンツの準備
もし同行者に運転ができる人がいるなら、迷わず運転を交代してもらいましょう。一人で300kmを走り切るのは「きつい」ですが、二人で半分ずつ分担すれば、一人あたりの負担は札幌〜苫小牧間程度の軽いものになります。
運転をしない時間は、助手席でリラックスして景色を楽しむことができます。このメリハリが、長旅を飽きさせないポイントです。交代のタイミングは、あらかじめサービスエリアごとに決めておくとスムーズです。
また、車内の雰囲気を良くするために、お気に入りの音楽プレイリストやラジオ番組を用意しておくのも有効です。会話が途切れた時でも、音楽があれば単調な景色による眠気を防ぐことができます。オフラインで再生できる環境を整えておきましょう。
【長距離ドライブの持ち物リスト】
・眠気覚ましのガムやタブレット
・目薬(ドライアイ対策)
・お気に入りの音楽やポッドキャスト
・首元を冷やす・温めるグッズ
・使い慣れたスマホホルダーと充電ケーブル
渋滞を避け余裕を持ったスケジュールを組む
精神的なきつさを生む大きな原因は「時間に追われること」です。到着予定時刻がギリギリだと、前の車を追い越したくなったり、休憩を削ったりと、悪い循環に陥ります。予定には必ずプラス1時間程度のバッファ(ゆとり)を持たせてください。
特にゴールデンウィークや盆休みなどの大型連休、連休最終日の札幌近郊などは激しい渋滞が発生します。渋滞に巻き込まれると疲労は倍増するため、出発時間を早めたり、混雑する時間帯をずらしたりする工夫が必要です。
「遅れても大丈夫」という心の余裕が、安全運転に繋がり、結果として快適なドライブを実現します。函館での夕食の時間から逆算して、昼過ぎには長万部を通過しているような、ゆったりとしたスケジュールを推奨します。
まとめ:札幌から函館の車移動は「きつい」けれど工夫次第で楽しみに変わる
札幌から函館までの車移動は、確かに距離があり体力的に「きつい」側面があるのは事実です。約250kmから300kmという長旅は、本州での移動とはスケールが異なり、事前の覚悟と準備が欠かせません。
しかし、本記事で紹介したように、適切な休憩スポットの活用、高速道路と一般道の賢い使い分け、そして十分な時間的余裕を持つことで、そのきつさは大幅に和らげることができます。長万部のかにめしや、有珠山からの絶景など、車だからこそ出会える魅力もたくさんあります。
もし運転に不安がある場合は、JRやバスといった代替手段も非常に優秀ですので、無理をして車を選ぶ必要はありません。ご自身の体力や旅のスタイルに合わせて、最適な移動手段を選択してください。
北海道の旅で最も大切なのは、目的地に安全に到着し、笑顔で観光を楽しむことです。この記事を参考に、無理のないプランを立てて、札幌から函館への素晴らしい移動時間を過ごしてくださいね。



