北海道の玄関口として多くの旅人が利用する函館。本州からのアクセスにおいて、フェリーは車と一緒に移動できる非常に便利な手段です。特に深夜便や早朝便を利用する場合、函館フェリーターミナル周辺で車中泊を検討される方も多いのではないでしょうか。
函館には「津軽海峡フェリー」と「青函フェリー」という2つの主要なターミナルがあり、それぞれ設備やルールが異なります。この記事では、函館フェリーターミナルで車中泊を検討している方に向けて、安心して過ごすためのコツや周辺の便利スポットをご紹介します。
快適な北海道の旅をスタートさせるために、事前に現地の情報をしっかりチェックしておきましょう。マナーを守って、安全で楽しい車中泊体験を叶えてくださいね。
函館フェリーターミナルで車中泊をする前に知っておきたい基礎知識

函館でフェリーを利用する際、まず理解しておかなければならないのが、ターミナルが2箇所に分かれているという点です。どちらを利用するかによって、周辺の環境や利用できる設備が大きく変わってきます。ここでは、それぞれの特徴を整理して解説します。
津軽海峡フェリーターミナルの設備と特徴
津軽海峡フェリーのターミナルは、非常に近代的で清潔感があるのが大きな特徴です。建物内には24時間利用可能なトイレがあり、清掃も行き届いているため、女性や小さなお子様連れの家族でも安心して利用することができます。
また、ターミナル内には売店や食堂、さらにはシャワールームまで完備されています。ただし、売店や食堂には営業時間があるため、深夜に到着した場合は利用できない点に注意が必要です。ロビーは広々としており、乗船待ちの時間をゆったりと過ごすことができます。
駐車場も非常に広く、大型車と普通車のエリアが分かれています。夜間でも照明が明るいため防犯面でも安心感がありますが、乗船予約をしている車が待機するための場所であることを忘れないようにしましょう。
青函フェリーターミナルの設備と特徴
青函フェリーのターミナルは、津軽海峡フェリーに比べると非常にコンパクトで質素な造りになっています。こちらは主に運賃の安さを重視するドライバーに人気があり、より実用的な施設といった印象を受けるでしょう。
建物内には自動販売機やトイレ、待合スペースが備わっています。24時間開放されているため、深夜の到着や早朝の出発でも困ることはありません。ただし、大規模な売店やレストランはないため、食事は事前に済ませておくか、近隣のコンビニを利用するのが基本となります。
駐車場はターミナルのすぐ目の前にあり、移動距離が短いのがメリットです。全体的に落ち着いた雰囲気ですが、トラックの利用も多いため、アイドリングの音などが気になる場合があるかもしれません。
2つのターミナルの位置関係とアクセス
これら2つのターミナルは、実はそれほど離れた場所にあるわけではありません。車であれば数分から10分程度の距離に位置しています。どちらも国道5号線からのアクセスが良く、函館市街地への移動もスムーズに行えます。
周囲には大型のスーパーやドラッグストアも点在しており、車中泊に必要な物資の調達には困りません。どちらのターミナルを利用する場合でも、周辺環境は非常に恵まれていると言えるでしょう。
ただし、利用する航空会社(船会社)によって入るゲートが異なります。間違えて反対側のターミナルに行ってしまうと、乗船手続きが遅れてしまう可能性があるため、事前にカーナビなどで正確な位置を確認しておくことが大切です。
【ターミナル比較のまとめ】
・津軽海峡フェリー:設備が充実しており、家族連れや初心者におすすめ。清潔なシャワーや売店がある。
・青函フェリー:シンプルで機能的。運賃を抑えたい方や、静かに待ちたい方に適している。
快適な滞在のために欠かせない周辺の入浴施設とグルメ情報

フェリーターミナルでの滞在をより快適にするためには、周辺の施設をいかに活用するかが重要です。特に、長距離運転の疲れを癒やす温泉や、北海道ならではの美味しい食事は欠かせません。ここでは、車中泊の前後におすすめのスポットを紹介します。
旅の疲れをリセットできる近隣の温泉施設
函館フェリーターミナルから車で5分ほどの場所に「七重浜の湯」という日帰り入浴施設があります。ここは、車中泊を楽しむ旅人にとって定番のスポットです。広々とした大浴場からは函館山や海を一望でき、心身ともにリラックスできます。
深夜まで営業している日も多いため、夜遅くにフェリーで到着した後でも利用できるのが嬉しいポイントです。また、施設内にはお食事処もあるため、お風呂上がりにゆっくりと夕食を楽しむことも可能です。
さらに、函館市内まで足を伸ばせば有名な「湯の川温泉」もあります。こちらは歴史ある温泉街で、風情を楽しみたい方に最適です。車中泊の拠点からは少し離れますが、観光を兼ねて立ち寄る価値は十分にあります。
北海道の味を堪能できる飲食店スポット
函館に来たなら絶対に外せないのが、地元民に愛されるハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」です。フェリーターミナルの近くにも店舗があり、ボリューム満点のチャイニーズチキンバーガーは一度食べたら病みつきになる美味しさです。
また、海沿いに位置する「ハセガワストア」のやきとり弁当も有名です。注文してから焼いてくれる豚串の香ばしさは、北海道の旅の思い出に彩りを添えてくれます。コンビニ形式なので、手軽に購入して車内でゆっくり食べるのにも向いています。
さらに、新鮮な海鮮を楽しみたい方は、早朝の「函館朝市」へ向かうのがおすすめです。フェリーターミナルから車で15分ほどで到着します。朝早くにフェリーから降りて、そのまま豪華な海鮮丼をいただくのは最高の贅沢と言えるでしょう。
物資の調達に便利なスーパーとコンビニ
車中泊で必要な飲み物や軽食、日用品を揃えるなら、北海道でおなじみのコンビニ「セイコーマート」が便利です。店内で作られる「ホットシェフ」のおにぎりやパンは、手作り感があって非常に人気があります。
また、ターミナル周辺には「スーパーアークス」などの大型スーパーもあります。ここでは地元の食材が豊富に揃っており、夜食用のお惣菜や飲み物をリーズナブルに購入できます。特に北海道産の牛乳や乳製品は、ぜひチェックしていただきたいアイテムです。
ドラッグストアも近くにあるため、急な体調不良や忘れ物があってもすぐに対応できます。フェリーに乗る前にしっかりと準備を整えておくことで、船内や目的地での時間をより有意義に過ごすことができます。
函館フェリーターミナルでの車中泊で守るべきマナーとルール

フェリーターミナルは本来、乗船を待つための公共施設です。キャンプ場や本格的な車中泊スポットとは性質が異なるため、利用する際には厳格なマナーが求められます。周囲に迷惑をかけず、今後も車中泊が制限されないように一人ひとりが意識を持つことが大切です。
長期滞在は厳禁!あくまで乗船前後の一時利用に留める
まず大前提として、フェリーターミナルの駐車場は「観光拠点としての宿泊場所」ではありません。「フェリーに乗るための待機場所」であることを忘れないでください。数日間にわたって同じ場所に居座るような行為は、他の利用者の妨げになります。
理想的な利用方法は、深夜便の乗船待ちや、深夜に到着して仮眠を取り、朝になったら出発するという形です。日中にターミナル駐車場に車を止めたまま、バスや電車で観光に出かけるといった行為も控えるべきです。
ルールを守らない利用者が増えると、夜間の立ち入りが禁止されたり、有料化されたりする恐れがあります。あくまで一時的な休憩・待機場所として、スマートに利用することを心がけましょう。
アイドリングストップと騒音への配慮
夜間の駐車場では、エンジンの音が想像以上に響きます。近隣には住宅がある場合もあり、他の車で休んでいる人もいるため、アイドリングは原則として禁止です。夏場や冬場の温度調節は、ポータブル電源や毛布などを活用して工夫しましょう。
また、ドアの開閉音や話し声も、静かな夜の駐車場では目立ちます。特に深夜に到着した際は、なるべく音を立てないように静かに行動するのがマナーです。車内で音楽を聴いたり動画を見たりする場合も、音量には十分に気を配る必要があります。
フェリーターミナルには大型トラックも多く出入りします。トラックの運転手さんは仕事の合間に貴重な休憩を取っています。彼らの邪魔にならないよう、普通車エリアを正しく使い、お互いに気持ちよく過ごせる環境を作りましょう。
ゴミの持ち帰りと火気厳禁の徹底
車中泊で出たゴミは、必ず自宅まで持ち帰るか、指定のゴミ回収場所を利用しましょう。ターミナル内の小さなゴミ箱に、家庭ゴミや車中泊で出た大量のゴミを捨てるのは言語道断です。放置されたゴミは、カラスなどの野生動物を寄せ付ける原因にもなります。
また、駐車場内での火気使用は絶対に禁止されています。カセットコンロを使って調理をしたり、お湯を沸かしたりする行為は火災の危険があるため、絶対に行わないでください。食事は店内で済ませるか、購入したものを車内でいただくようにしましょう。
公共の場所を借りているという謙虚な気持ちを持ち、利用前よりも綺麗な状態にして立ち去るのが理想です。マナーを守ることは、自分自身の旅を心地よくするだけでなく、未来の旅人たちへの優しさでもあります。
【車中泊のマナー3ヶ条】
1. アイドリングをせず、騒音を最小限に抑える。
2. ゴミはすべて持ち帰り、火気は一切使用しない。
3. 目的は「乗船待ち」であり、長期滞在は行わない。
四季に合わせた準備とおすすめの便利グッズ

北海道の気候は本州とは大きく異なります。函館であっても、夜間は急激に冷え込んだり、逆に夏場は日差しが強かったりと、車中泊を快適にするためには季節ごとの準備が欠かせません。ここでは、備えておきたいアイテムを紹介します。
冬の函館での寒さ対策と必須アイテム
冬の北海道で車中泊をする場合、最も警戒すべきは「寒さ」です。氷点下になることも珍しくないため、通常の寝袋だけでは不十分な場合があります。冬用の高断熱シュラフや、厚手の毛布を重ねて準備しておくことが重要です。
また、窓からの冷気を遮断するために、車種専用のサンシェードや断熱マットを使用するのが効果的です。これがあるだけで車内の温度低下を劇的に抑えることができます。さらに、湯たんぽやカイロなどの電源を使わない暖房器具も非常に役立ちます。
ただし、大雪の日は排気口が雪で埋まり、一酸化炭素中毒になる危険性があります。雪が降っている時はこまめに除雪を行うか、安全を最優先にしてホテルへの宿泊を検討するなどの判断も必要です。
夏の暑さと虫対策をスムーズに行うコツ
夏の函館は比較的過ごしやすいですが、それでも日中の熱気が車内にこもることがあります。夜間に窓を少し開けて風を通したいところですが、そのままでは蚊などの虫が入ってきてしまいます。そこで重宝するのが、車の窓に取り付ける「網戸」です。
最近ではマグネット式で簡単に着脱できるものも市販されており、これを使うことで不快な虫を防ぎながら涼しい風を取り入れることができます。また、小型の扇風機(サーキュレーター)があれば、車内の空気を循環させてより快適に過ごせます。
日差し対策としては、遮光カーテンやシェードが有効です。早朝の強い日差しで目が覚めてしまうのを防ぎ、プライバシーを守る役割も果たしてくれます。夏の車中泊は、いかに熱を逃がし、虫を寄せ付けないかがポイントとなります。
通年で役立つポータブル電源と照明器具
季節を問わず、車中泊の質を向上させてくれるのが「ポータブル電源」です。スマートフォンの充電はもちろん、電気毛布や小型の炊飯器、扇風機などの家電をエンジンをかけずに使用できるため、アイドリングストップの強い味方になります。
また、車内の照明としてLEDランタンを用意しておくと便利です。車のルームランプを長時間つけているとバッテリー上がりの原因になりますが、電池式や充電式のランタンならその心配もありません。暖色系の光を選べば、車内がよりリラックスできる空間に変わります。
さらに、耳栓やアイマスクも用意しておくと良いでしょう。フェリーターミナルは夜間でも人の出入りがあり、完全な静寂ではありません。これらを使用することで、周囲の音や光を気にせず、深く良質な眠りを得ることができます。
| 季節 | 必須アイテム | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 春・秋 | 重ね着できる衣類、薄手の毛布 | 日中と夜間の寒暖差に注意する。 |
| 夏 | 車用網戸、小型扇風機、虫除け | 通気性を確保し、虫の侵入を防ぐ。 |
| 冬 | 冬用シュラフ、断熱マット、湯たんぽ | 冷気を遮断し、体温を逃がさない。 |
函館観光を最大限に楽しむためのフェリー活用術

函館フェリーターミナルを拠点にする最大のメリットは、移動と休憩を効率よく組み合わせられる点にあります。フェリーのスケジュールを上手に利用することで、限られた観光時間を有効に使うことができます。ここではおすすめのプランニングをご紹介します。
深夜便・早朝便を利用したタイムスケジュールの組み方
最も効率的なのは、深夜に青森を出発し、早朝に函館に到着する便を利用することです。船内で仮眠を取ることができ、函館に到着した瞬間から観光をスタートさせることができます。到着後、まずは「函館朝市」で朝食を楽しみ、その後、元町周辺の教会群を散策するのが王道ルートです。
逆に、函館を深夜に出発する便を利用する場合は、夕方までじっくり函館観光を楽しみ、夜に温泉へ入ってからターミナルへ向かうことができます。ターミナルでの車中泊(待機)時間を短縮できるため、体の負担も少なくなります。
フェリーの乗船時間は約3時間40分程度です。この時間を「単なる移動」と考えるか、「貴重な休憩時間」と考えるかで、旅の疲れ具合が大きく変わります。自分の体力やスケジュールに合わせて、最適な便を選んでみてください。
ターミナル周辺で見逃せない隠れた観光名所
フェリーターミナルのすぐ近くには「緑の島」という人工島があり、ここからは函館の街並みや海を眺めながらゆったりと散歩を楽しむことができます。イベントが開催されることも多く、地元の人々の憩いの場となっています。
また、少し車を走らせれば「五稜郭公園」にもすぐにアクセスできます。星形の城郭として有名なこの場所は、春は桜、冬はライトアップと、四季折々の美しさを見せてくれます。タワーに登って上空からその形を眺めるのもおすすめです。
さらに、ベイエリアにある「金森赤レンガ倉庫」も比較的近いです。ショッピングやグルメを楽しめるだけでなく、夜になるとライトアップされた倉庫群が非常にロマンチックな雰囲気を醸し出します。写真撮影スポットとしても最適です。
混雑時期の予約とスムーズな手続きのコツ
ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった繁忙期には、フェリーは非常に混雑します。予約なしでターミナルへ行っても、何便も待たされることになりかねません。予定が決まったら、できるだけ早くインターネットで予約を済ませておきましょう。
インターネット予約を利用すると、窓口での手続きが簡略化されるだけでなく、割引が適用される場合もあります。当日は乗船の60分から90分前にはターミナルに到着している必要がありますが、予約があれば余裕を持って行動できます。
万が一、予約がいっぱいの場合は、キャンセル待ちをすることも可能ですが、確実ではありません。特に車と一緒に移動する場合はスペースに限りがあるため、早めの行動が何よりも重要です。余裕を持った計画が、楽しい北海道旅行の鍵となります。
【効率的な観光の流れ】
1. 青森を深夜に出発し、早朝に函館へ。
2. 朝市で海鮮を楽しみ、五稜郭や元町を観光。
3. 夕方にラッキーピエロで食事をし、温泉でリフレッシュ。
4. 翌朝、再び観光へ、または次の目的地である札幌方面へ移動。
函館フェリーターミナルでの車中泊を成功させるためのポイント
函館フェリーターミナル周辺での車中泊は、北海道の旅をより自由で豊かなものにしてくれる便利な選択肢です。しかし、そこには公共の施設を借りているという意識と、周囲への配慮が欠かせません。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
まず、津軽海峡フェリーと青函フェリーの2つのターミナルの特徴を理解し、自分のスタイルに合った方を選びましょう。設備重視なら津軽海峡、シンプルさ重視なら青函フェリーが適しています。どちらを利用するにしても、乗船予約を前提とした利用が基本です。
次に、近隣の入浴施設や飲食店を上手に活用することで、車内だけでは得られない快適さを手に入れることができます。「七重浜の湯」や「ラッキーピエロ」など、地元ならではのスポットを旅の行程に組み込んでみてください。
そして最も重要なのがマナーです。アイドリングストップ、ゴミの持ち帰り、火気厳禁といったルールを守ることは、旅人としての義務でもあります。静かな夜を過ごし、気持ちよく次の目的地へ出発できるよう、一人ひとりが心がけましょう。
北海道の雄大な景色と美味しい食、そして心地よい車中泊の思い出。事前の準備をしっかり整えて、函館フェリーターミナルを拠点とした素晴らしい旅を楽しんできてくださいね。



