北海道の短い夏を鮮やかに彩るイベントといえば、札幌で開催される盆踊りです。爽やかな夜風が吹く大通公園を中心に、市内各地で太鼓の音が響き渡り、多くの人々が輪になって踊る姿は、札幌の夏の風物詩として親しまれています。
旅行で札幌を訪れる方にとっても、盆踊りは北海道の文化を肌で感じられる絶好の機会です。地元の人と一緒に輪に加わったり、立ち並ぶ屋台のグルメを楽しんだりと、楽しみ方は多岐にわたります。この記事では、札幌の盆踊りの見どころや参加方法を分かりやすくお伝えします。
初めての方でも安心して楽しめるように、会場の雰囲気や持ち物、さらには北海道ならではの踊りの特徴についても詳しくまとめました。この記事を読めば、札幌の夏をより一層深く楽しめるようになるはずです。ぜひ最後までチェックして、素敵な旅の思い出を作ってください。
札幌の盆踊りのメインステージ!大通公園で開催される北海盆踊り

札幌で最も規模が大きく、象徴的なイベントが「さっぽろ夏まつり」の締めくくりとして開催される北海盆踊りです。観光客の方でも気軽に参加できるオープンな雰囲気が魅力で、毎年多くの人で賑わいます。
北海盆踊りの開催時期とメイン会場の雰囲気
北海盆踊りは、例年8月中旬の約1週間、札幌市中央区の大通公園西2丁目付近をメイン会場として開催されます。大通公園のテレビ塔を背に、巨大なやぐらが組まれ、その周囲を何重もの踊り手の輪が囲む光景は圧巻です。
会場には生演奏の太鼓や笛の音が響き、夜になると提灯の明かりが幻想的な雰囲気を醸し出します。札幌の中心部というアクセスの良さもあり、仕事帰りの方や家族連れ、そして海外からの観光客も多く、非常に国際色豊かな盆踊りとなります。
北海盆踊りの最大の特徴は、「誰でもその場で輪に加わることができる」という点です。特別な申し込みや衣装は必要なく、私服のままふらりと参加できる気軽さが、多くの人に愛される理由の一つとなっています。
【北海盆踊りの基本データ】
会場:大通公園西2丁目(年によって変更の可能性あり)
時期:例年8月14日〜20日頃
時間:18:00〜21:00頃(子供盆踊りと大人盆踊りで時間が分かれます)
北海盆踊りの歴史と受け継がれる「北海盆唄」
北海盆踊りの歴史は古く、戦後まもなくの時期に市民を元気づけるために始まったと言われています。ここで踊られる曲のメインは、北海道を代表する民謡である「北海盆唄(ほっかいぼんうた)」です。
この曲はもともと、幾春別(いくしゅんべつ)などの炭鉱の町で歌われていた「炭鉱節」がルーツとなっており、力強いリズムが特徴です。ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」のオープニング曲の元ネタとしても有名で、日本人ならどこかで聞いたことがある馴染み深いメロディかもしれません。
生歌と生演奏に合わせて踊る贅沢さは、大規模な会場ならではの体験です。歌詞の中には北海道の自然や暮らしを歌ったフレーズが多く含まれており、踊りながら北海道の歴史に思いを馳せることができます。
大人から子供まで楽しめるタイムスケジュール
大通公園の盆踊りは、時間帯によって二部構成になっていることが一般的です。夕方の早い時間帯は「子供盆踊り」が行われ、その後、夜が深まるにつれて「北海盆踊り(大人向け)」へと移り変わっていきます。
子供盆踊りの時間は、可愛らしい振り付けとともに、子供たちが一生懸命踊る姿を見守る和やかな時間が流れます。踊り終わった子供たちにはお菓子が配られることもあり、地元の子供たちにとっては夏休み最大のお楽しみイベントです。
19時を過ぎると大人の時間となり、踊りのテンポも少し上がります。ベテランの踊り手たちが揃いの浴衣で華麗な舞を披露する一方で、観光客が真似をしながら楽しそうにステップを踏む光景が見られ、会場全体の熱気が最高潮に達します。
北海道ならではの文化!「子供盆踊り」のユニークな魅力

札幌の盆踊りを語る上で欠かせないのが、北海道独自の文化として発展した「子供盆踊り」です。本州の盆踊りとは少し異なる特徴があり、札幌市民にとっては幼少期の大切な思い出となっています。
北海道民の定番「子供盆踊り唄」の秘密
北海道の子供盆踊りで必ず流れるのが「子供盆踊り唄」という曲です。この曲は、戦後、子供たちの健全な育成を願って作られた北海道オリジナルの楽曲で、シャンシャンという鈴の音のような軽快なリズムが特徴です。
歌詞の中には「そよ吹く風も、なよなよと」といった美しい情景描写や、子供たちが健やかに育つ様子が描かれています。この曲が聞こえてくると、北海道民は「あぁ、夏が来たな」と実感すると言われるほど、地域に深く根付いています。
本州出身の方がこの曲を聞くと、その独特のメロディや振り付けの可愛らしさに驚くことが多いようです。札幌観光の際には、ぜひこの北海道限定の「夏のスタンダードナンバー」を現地で体感してみてください。
誰でも踊れる!簡単で愛らしい振り付け
子供盆踊りの振り付けは、小さなお子様でもすぐに覚えられるほどシンプルです。基本的には手を叩いたり、回したりする動作の繰り返しで、周囲の人の動きを数分眺めているだけで、大人でもすぐにマスターできます。
輪の外で見ているだけでも楽しいものですが、せっかくならお子様と一緒に輪の中に入ってみるのがおすすめです。札幌の盆踊り会場は非常に温かい雰囲気なので、多少振りが間違っていても誰も気にしません。むしろ、一生懸命踊る姿は周囲を笑顔にしてくれます。
会場によっては、やぐらの上に登って踊ることができる場合もあります。高い場所から広場を見渡しながら踊る体験は、子供たちにとって一生の宝物になるでしょう。
手足の動きを連動させる独特のステップは、慣れてくると非常に心地よく、運動不足解消にもぴったりです。夜の涼しい風を感じながら、親子で一緒に汗を流す時間は、最高のデトックスになります。
踊った後のお楽しみ!お土産やご褒美
子供盆踊りのもう一つの魅力は、参加した子供たちに配られる「ご褒美」です。多くの会場では、踊りが終わった後に引換券と交換で、お菓子や文房具、飲み物などがプレゼントされます。
これは、地域の企業や町内会が子供たちのために用意しているもので、地域コミュニティの温かさを感じる瞬間です。大通公園のような大規模会場だけでなく、小さな公園で行われる町内会の盆踊りでも、この習慣は大切に守られています。
観光客の方が参加する場合でも、基本的には同じように配られることが多いですが、数に限りがあるため早めに並ぶのがコツです。こうした細やかなおもてなしも、札幌の盆踊りが愛され続けている理由の一つと言えるでしょう。
子供盆踊りに参加する際は、早めに会場に到着しておきましょう。開始直後は混雑しますが、早めに場所を確保しておくと、やぐらの近くで踊るチャンスが増えます。
観光客も大歓迎!札幌の盆踊りに参加するための準備とコツ

札幌の盆踊りは、見ているだけではもったいないイベントです。初心者や観光客の方が、より深く楽しむための具体的な準備や、当日の立ち回りについて解説します。
服装は自由!浴衣があれば気分は最高
盆踊りに参加する際、服装に決まりはありません。Tシャツにハーフパンツといったカジュアルな格好で踊っている人もたくさんいます。ただし、せっかくの夏祭り気分を味わうなら、浴衣をレンタルして参加するのが一番のおすすめです。
札幌市内には、着付け込みで浴衣を貸し出してくれるレンタルショップがいくつかあります。手ぶらで行ってプロに綺麗に着せてもらい、そのまま大通公園へ向かうスタイルは非常に人気です。浴衣姿で踊る写真は、SNS映えも抜群です。
もし私服で参加する場合は、動きやすい靴を選ぶようにしましょう。下駄を履き慣れていない方が無理をして歩くと足を痛めてしまうため、スニーカーなどの歩きやすい履物で参加し、会場で気分を盛り上げるのがスマートな楽しみ方です。
| 持ち物・準備 | おすすめの理由 |
|---|---|
| タオル・ハンカチ | 踊った後の汗を拭くために必須です。 |
| 小銭(100円玉など) | 屋台での買い物や飲み物の購入に便利です。 |
| ウェットティッシュ | 屋台グルメを楽しんだ後の汚れを拭き取れます。 |
| 虫除けスプレー | 夜の公園は蚊がいる場合があるため準備しましょう。 |
踊りの輪に加わるタイミングとマナー
「いつ輪に入ればいいのか分からない」と不安に思う方もいるかもしれませんが、心配はいりません。曲の途中であっても、列の隙間を見つけて自然にスッと入るのが札幌流です。特に、列が二重、三重になっている場合は、外側の列の方がゆったりとしているので入りやすいでしょう。
基本的なマナーとして、前の人との距離を詰めすぎないように注意してください。特に大きく腕を振る動作があるため、一定の間隔を保つことでお互いに気持ちよく踊ることができます。
また、写真撮影をする場合は、踊っている列の中に入って立ち止まるのは控えましょう。撮影は輪の外側から行い、踊る時は踊りに集中するのがスマートな振る舞いです。周りのベテランさんの動きを「鏡」のようにして真似するのが、上達への近道です。
夜の冷え込みに注意!札幌の夏夜の対策
北海道の夏は、日中は暑くても日が落ちると急に気温が下がることがあります。特に8月中旬の夜は、本州の感覚でいると「肌寒い」と感じることもあるでしょう。
盆踊りで体を動かしている間は温かいですが、踊り終わって休憩しているときや、屋台で立ち止まっているときに冷えを感じやすくなります。薄手のカーディガンやストールなど、軽く羽織れるものを持っていくと安心です。
また、雨天の場合は中止や順延になることがあります。当日の天候を公式サイトやSNSで事前にチェックしておくことも忘れないようにしましょう。霧雨程度であれば開催されることもありますが、足元が滑りやすくなるため、より一層の注意が必要です。
【快適に楽しむためのチェックリスト】
・履き慣れた靴で行く(または絆創膏を持参する)
・スマホの充電をフルにしておく(夜の写真は電池を消費します)
・帰りの交通手段を確認しておく(地下鉄の終電時間など)
地域密着の温かさ!神社や町内会のローカルな盆踊り

大通公園の大きなイベントも魅力ですが、札幌の本当のローカルな雰囲気を感じたいなら、各地域の神社や公園で開催される盆踊りも見逃せません。ここでは観光地とは一味違う、生活に根ざした盆踊りの魅力をお伝えします。
北海道神宮など有名な神社の盆踊り
札幌市中央区にある「北海道神宮」でも、例年盆踊りが開催されます。神社の神聖な空気の中で行われる盆踊りは、公園とはまた違った格式高さと情緒があります。参道に並ぶ屋台の雰囲気も相まって、日本の夏らしいノスタルジックな気分に浸れるでしょう。
神社での盆踊りは、地元住民の参加率が高く、地域の一体感が非常に強いのが特徴です。それでいて、参拝客も温かく迎え入れてくれる土壌があります。大きな太鼓の音が境内に響き渡る様子は、魂に響くような迫力があります。
こうした神社会場では、地元の伝統芸能が披露されることもあります。盆踊りだけでなく、獅子舞や太鼓の奉納演奏など、北海道の歴史的な芸能文化に触れることができる貴重なスポットです。
小さな公園で開かれる町内会盆踊りの魅力
札幌市内の住宅街にある小さな公園では、8月になると毎晩のようにどこかで盆踊りが行われています。こうした町内会主催の盆踊りは、まさに「手作り感」満載で、温かいおもてなしの心が詰まっています。
屋台といってもプロの業者が入るだけでなく、町内会のおじいちゃんやおばあちゃんが焼きそばを焼いたり、かき氷を作ったりしている光景が見られます。価格も非常にリーズナブルで、100円や200円で楽しめるメニューが多いのも嬉しいポイントです。
こうした会場では、観光客の姿は珍しいため、輪に加わると「どこから来たの?」と声をかけられることもあります。地元の方とのちょっとした交流は、大規模な観光イベントでは味わえない、旅の深い思い出になるはずです。
盆踊りとセットで楽しむ地域の縁日グルメ
ローカルな盆踊り会場の楽しみといえば、やはり縁日グルメです。北海道ならではの「いか焼き」や「フレンチドッグ(砂糖をまぶしたアメリカンドッグ)」など、本州とは少し違うメニューに出会えるかもしれません。
最近では、地元の人気飲食店がキッチンカーで出店していることもあり、本格的な味を気軽に楽しめる機会も増えています。冷えた飲み物を片手に、地元の人たちに混ざってプラスチックの椅子に座り、夜風を浴びながら食べる食事は格別です。
また、会場によっては「ビンゴ大会」や「抽選会」が行われることもあります。豪華景品が当たることもあれば、ティッシュなどの日用品が当たることもありますが、その場の一喜一憂する盛り上がりは、まるでお祭りの主役になったような気分にさせてくれます。
盆踊り会場で味わいたい!札幌の夏祭りグルメと周辺の楽しみ方

盆踊りの醍醐味は踊ることだけではありません。会場を彩る美味しい食べ物や、盆踊りと一緒に楽しめる周囲の観光スポットについてご紹介します。
北海道の味覚が凝縮された屋台メニュー
札幌の盆踊り会場には、バラエティ豊かな屋台が並びます。定番の焼きそばやたこ焼きはもちろんですが、せっかくなら北海道らしいメニューを探してみましょう。例えば、「焼きとうもろこし」や「じゃがバター」は、北海道の夏を代表する味覚です。
香ばしい醤油の香りが漂う焼きとうもろこしは、一口かじれば甘みが口いっぱいに広がります。また、ホクホクのじゃがいもにたっぷりのバターを乗せたじゃがバターは、シンプルながらも素材の良さを一番感じられる一品です。
さらに、最近のトレンドとして、地元のクラフトビールや、北海道産フルーツを使ったかき氷なども登場しています。踊って熱くなった体を、冷たいスイーツやドリンクで冷やす時間は、至福のひとときと言えるでしょう。
大通公園周辺の夜の観光スポット
大通公園で盆踊りを楽しんだ後は、そのまま周辺の観光スポットへ足を伸ばすのがおすすめです。公園の東端にそびえる「さっぽろテレビ塔」の展望台からは、盆踊り会場を真上から見下ろすことができます。
夜のテレビ塔から眺める盆踊りの輪は、光り輝く宝石のように美しく、地上で踊っているときとは全く違う感動を与えてくれます。また、近くの「二条市場」周辺の居酒屋や、ススキノエリアのバーへ移動して、二次会を楽しむのも札幌らしい夜の過ごし方です。
少し静かに夜を過ごしたいなら、大通公園を西の方へ散歩してみるのも良いでしょう。盆踊りの喧騒が少しずつ遠のき、ライトアップされた噴水や彫刻が静かに佇む公園の姿は、とてもロマンチックです。
夜の札幌散策には、地下街「オーロラタウン」や「ポールタウン」を利用するのも便利です。涼しい通路を通って移動できるため、移動時間を快適に過ごすことができます。
写真映え間違いなし!夜のライトアップと撮影のコツ
盆踊りの会場は、提灯やライトアップで非常に華やかです。思い出に残る写真を撮るためのコツは、「スローシャッター」を意識することです。最近のスマートフォンには夜景モードが搭載されていることが多いので、三脚を使わずとも綺麗な写真が撮れます。
あえて踊っている人の動きを少しブレさせることで、祭りの躍動感を表現することができます。また、やぐらを背景に浴衣姿で撮影する場合は、顔が暗くならないように、近くの街灯や屋台の明かりを利用して順光(光が正面から当たる状態)で撮るのがポイントです。
動画で撮影するなら、太鼓の音をしっかり入れることを意識してみてください。後で見返したときに、その場の熱気や空気感まで鮮明に思い出すことができます。ただし、他のお客様の迷惑にならないよう、周囲への配慮を忘れずに撮影を楽しみましょう。
札幌の盆踊りを満喫して夏の思い出を作ろう
札幌の盆踊りは、伝統的な文化と現代の賑わいが絶妙に融合した、北海道の夏を代表する一大イベントです。大通公園で開催される「北海盆踊り」は、その規模と開放感で訪れる人を圧倒し、観光客でも気軽に踊りの輪に加わることができます。また、北海道独自の「子供盆踊り唄」は、地元の温かさと歴史を感じさせてくれる特別な体験となるでしょう。
参加する際は、服装は自由ですが、浴衣をレンタルするとより一層気分が盛り上がります。夜は冷え込むこともあるため、薄手の羽織るものを用意しておくと安心です。踊りに疲れたら、北海道ならではの屋台グルメに舌鼓を打ち、テレビ塔からの夜景を楽しむといった贅沢なコースも可能です。
大規模な会場だけでなく、地元の神社や公園で行われるローカルな盆踊りにも、手作りならではの魅力が詰まっています。どこへ行っても、札幌の人々はあなたを温かく迎え入れてくれるはずです。太鼓の音に合わせて体を動かし、地元の人と一緒に汗を流せば、単なる観光以上の深い絆を感じることができるでしょう。
この夏、札幌を訪れる際は、ぜひ盆踊りの開催スケジュールをチェックしてみてください。夜風に吹かれながら踊るひとときは、あなたの北海道旅行をより輝かしく、忘れられないものにしてくれるに違いありません。さあ、あなたも勇気を出して踊りの輪に加わり、最高の夏の思い出を作ってみませんか。



